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テルナテ島南幅約1kmの海峡を挟んでティドレ島、2つの島は大きさも地形もよく似ており双子に喩えられる。テルナテ島はマルク州に属していたが、1999年に北マルク州が分離成立後テルナテが事実上の州都になった（計画上の州都はハルマヘラ島のSofifi）。
島の最高峰は活火山のガマラマ山で、標高1715ｍ。定期的に活動、1538年記録以来70回以上噴火。最近は1980年9月に大噴火があり、3万人が近くのティドレ島に避難。オランダ人が19世紀にモルッカ諸島を植民地化する迄、テルナテ王国は現在のインドネシア東部の広い範囲を統治。16世紀末スルタン･バブラはスラウェシ島東部から、モルッカ諸島全体、小スンダ列島、パプアの一部に迄影響力を持ち、この時期がテルナテ王国最盛期。
テルナテ島は丁子の数少ない産地に知られ、欧州人が到達する以前から中国やマレーの商人が訪れていた。現在まで49代続くスルタンの家系は13世紀にマレー人によって建国といわれている。その後イスラム教が交易ルートに乗ってもたらされると、王家や住民の改宗が進む。初めてテルナテ島を訪れたのはマラッカから来たポルトガル探検家、フランシスコ･セラン（Francisco Serrao）ら。彼らはモルッカ諸島探検航海中にセラム島近くで難破し地元住民に救助された。
テルナテのスルタン･Abu Laisは彼らの困窮ぶりに、1512年にテルナテ島まで連れて来させた。これを機にスルタンはポルトガル人と同盟、島に砦を作る事を許可。しかしポルトガル人のスルタン廃立への関与や宣教師たちの強引な布教活動等で住民が怒り、1575年追放。スペイン人はポルトガル人に対抗してティドレ島に拠点を置いたが、1606年にテルナテ島のポルトガル人が築いた砦を占拠、スルタンを捕まえてマニラに移送。
オランダ人は1599年モルッカ諸島に進出したが、1607年にはテルナテ島の一部を占領。その後1663年スペインが撤退する迄テルナテ島はオランダ領とスペイン領に二分。オランダは丁子の生産拠点をアンボン島等管理しやすい島に移す、丁子貿易で栄えたテルナテ島はモルッカ諸島の政治経済中心をアンボンに譲り渡す。イエズス会フランシスコ・ザビエルは日本を訪れる3年前1546年アンボン島、テルナテ島、モロタイ島を訪れ布教活動をしている。
イギリスの博物学者アルフレッド・ラッセル・ウォレス1858年自然選択説を独自に作り上げ、意見を聞こうと論文をチャールズ・ダーウィンに宛てた。ダーウィンは自分の20年来の研究に極似している事に驚き、慌てて自分も論文を書き上げ、ウォレスの論文と同時発表という形に。このダーウィンに宛てた論文はテルナテ島で投函されたことから俗にテルナテ論文と呼ばれている。
| 行政区画 | 北マルク州 テルナテ市 |
|---|---|
| 中核都市 | テルナテ Ternate |
| 空港 | テルナテ空港 Bandar Udara Sultan Babullah, Ternate |
| テルナテ空港乗入れ航空会社 | GA：ガルーダインドネシア航空 SJ：スリウィジャヤ航空 JT：ライオン航空 XN：エクスプレス航空 ID：バティック航空 |
| テルナテ空港を結ぶ他空港 |
◆ジャワ地区◆ ◆マルク地区◆ [アンボン GA XN] [ブリ JT] [マナド GA JT SJ] [モロタイ JT] |
| テルナテ空港から主な地域への距離 約 | テルナテ市街：8km カラマタ要塞：9km テルナテ市場：5km テルナテ港：7km |
| web site | http://www.ternatekota.go.id/ [テルナテ市] https://malutprov.go.id/ [北マルク州] |
| 時差 | 日本と同じ |
| 面積 北マルク州 | 31,982k㎡（岩手県の2.1倍くらい） |
| 面積 テルナテ市 | 111k㎡（愛知県瀬戸市くらい） |
| 人口 北マルク州 | 120.9万人（広島県広島市くらい） |
| 人口 テルナテ市 | 21.8万人（東京都荒川区くらい） |
| 宗教 テルナテ市 | イスラム88.1%・プロテスタント10.84%・カトリック0.68%・ヒンドゥ0.14%・仏教0.07% |
| 町のイメージ | 外部の動画サイトによる町のイメージ |
【テルナテ 観光地、史跡、郷土料理、著名人】
【カラマタ要塞 Benteng Kalamata】
カラマタ要塞は1540年,ティドーレ島のスペイン軍からの攻撃の為にポルトガルのフランシスコ セラオによって作られた。その後、1609年この要塞はオランダにより修復。1625年スペインが占拠し、その後オランダが占拠。その後、インドネシア行政が1994年に修復し、2005年テルナテ市が要塞保護施設を施すリノベーションをした。[動画サイトの様子]
【テルナテ市場 Pasar Ternate】
インドネシ人もこの市場へ訪れると興味深いという。特に朝の時間帯は圧倒的な種類の魚が売られているからだ。行政では市場の近代化改築の提案もあるようだ。安全確保や円滑な流通の為の監視カメラの設置、清潔、緑化、そしてジャンルによって売り場を纏めるとの事（野菜コーナー・魚コーナー等）と、配慮する3階建ての市場へ。消費者に、より利用しやすいものへと、、大きなお世話だが我々の様な外国人からすれば味のある市場がどんどん無くなり少し寂しい。これも時代でなのでしょうね。
【ティドーレ島 Pulau Tidore】
ティドーレ島はテルナテ南スピードボード30分。姿、形がテルナテ島と似ている事から双子島とも呼ばれている。テルナテ島よりはやや、大きい。イスラム教が入る前は火山の島の意味のLimau Duko 又は Kie Dukoの名前で知られていた。ティドーレ島にはポルトガル人が作ったトフル要塞とトワレ要塞の2つの要塞遺跡がある（島の西側）。17世紀頃にオランダの攻撃によって壊滅され、今や崩れ落ちた瓦礫や石の残骸ではあるが、海側からの外観は広く颯爽としている。[動画サイトの様子]
【ゴフ イカン Gohu Ikan Ternate】
テルナテの代表料理の一つが「ゴフ イカン テルナテ」。元々は地理的な事もあって北スラウェシ地区と食文化は互いに影響し合っている。ゴフイカンは生の鮪を使ったカルパッチョみたいなもの。「sashimi Ternate」と呼ぶ人もいる。鮪の時期でない場合は鰹を代用する。小さく切り分けた新鮮な鮪に塩、柑橘系の絞汁をまぶし、適当に細かく刻んだバジルと混ぜる(A)。赤ワケギ、青唐辛子を適当に刻み、少量の椰子油で炒めるたのが(B)、(B)を(A)へ注ぐ、仕上げに潰した揚げピーナツを散りばめて出来上がり。[動画サイトの様子]
【ヌク ムハマッド アミルディン Nuku Muhammad Amiruddin】
ヌク ムハマッド アミルディン(1738-1811) ティドーレ王宮のスルタン。幼名はカイチル シャイフディン。1779/4/13 ティドーレ王に即位。1781年以来、オランダ軍の東インド会社介入を活発に抵抗しMaha Tuan Sultan Amiruddin Syaifuddin Syah kaicil Paparangaの称号を得、イリアンとセラムのスルタンに即位。直後にマルク・イリアン全軍の最高司令官も就任。1783年、ヌクの凄まじい攻撃がハルマヘラ拠点のオランダ軍を襲う。その後8年もの間充分な下準備を施し、テルナテ要塞にてオランダ軍を総攻撃し退散させる。その戦以後ティドーレは平和になる。その後ヌクは政権を1805/11/14迄治める。ヌクはオランダからの解放の為40年もの歳月戦い続けた後、世を去る。インドネシア共和国は氏の功績を称え1995/8/07国民的英雄の称号を与る。